アジアにおける発達障害児支援研究Research

活動報告

国際会議 (於:モンゴル国立教育大学)

2018-06-04

モンゴル国立教育大学にて5月4日と5日に開催された国際会議 The International Conferences on Effectiveness and Efficacy of Education に参加して、現在開発中であるモンゴル語版知能検査に関する研究発表を行いました(演題:Development of Intelligence Test for Children in Mongolia)。大変多くの反響があり、本研究プロジェクトへの期待の大きさが伺えました。

モンゴル国立教育大学副学長との共同研究ミーティング(於:名古屋大学)

2018-05-10

モンゴル国立教育大学より、4月27日ナランツェツェグ副学長とムンクバト教育研究科教員が名古屋大学に訪問されました。『名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター』のこれまでの活動と、今後の「モンゴル版田中ビネー知能検査」の開発計画、相談活動、共同研究の方針についてミーティングが行なわれました。

さらに、永田雅子教授、金子一史教授、野邑健二特任教授、福元理英特任助教に、モンゴル国立教育大学の客員教員任命書が手渡されました。

ミーティング終了後に『心の発達支援研究実践センターおよび心理発達相談室』の見学もされ、今後さらに協力して活動をすすめていくことが合意されました。

国際会議「Approaching Intellectual Disability: Research, Policy and Practice」

2018-04-16

2018年4月13日

国際会議「Approaching Intellectual Disability: Research, Policy and Practice」

場所:モンゴル国立教育大学、名古屋大学(テレビ会議にて)

心の発達支援研究実践センターは、4月13日、モンゴル国立教育大学と発達障害児支援に関する国際会議(テレビ会議)を実施しました。はじめに、モンゴル国立教育大学のデルゲルサイハン教員養成学部長および金井篤子心の発達支援実践センター長が挨拶され、モンゴル国立教育大学に訪問されているDr. Margaret A. Nygren 先生(アメリカ知的障害学会理事長)が基調講演「Approaching Intellectual Disability: Research, Policy and Practice」を行いました。その他、心のセンター野邑健二特任教授より「発達障害児の家族に対するペアレントトレーニング」、オドゲレル子ども発達共同支援センター長より「Assessment of children’s intelligence at Child Development Support Center」、モンゴルの医療・教育の専門家より発達障害児の評価・治療・支援等に関する5題の発表がありました。

日本・モンゴル・アメリカの三か国の発達障害児者支援の関係者が、テレビ会議で議論を深める試みは初めてのことです。今後もさまざまな形で積極的に交流をはかり、協力関係を深めていく予定です。

» 概要資料(PDF)

発達障害研修会を実施 (於:モンゴル)

2018-03-13

3月6日 モンゴルにおいて、心の発達支援研究実践センター、モンゴル国立教育大学、モンゴル国立医科大学精神科の合同の発達障害研修会を実施しました。

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合同研修会参加者

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合同研修会ポスター

心の発達支援研究実践センターは3月6日、モンゴル国立教育大学内にて、モンゴル国立教育大学、モンゴル国立医科大学精神科との合同の発達障害研修会を実施しました。発表内容は、モンゴル国立教育大学1題(共同支援センター)、心のセンター2題(児童精神科および発達支援、臨床心理士)、医科大学3題(児童精神科、発達支援、心理アセスメント)でした。モンゴル国立教育大学のマンダホ学長が最初にあいさつし、教育省の特別支援教育担当官が臨席しました。モンゴル国立医科大学からは、精神科教授を始め、多くの関係者が参加しました。このような合同の研修会は初めての試みだったこともあり、大変好評で、今後もこのような活動を進めていく予定です。

モンゴル国立教育大学教員との共同研究ミーティング(於:名古屋大学)

2018-02-22

モンゴル国立教育大学より、デルゲルサイハン教員養成学部長、オドゲレル子ども発達共同支援センター長、トンガ子ども発達共同支援センター教員、の3名が名古屋大学に訪問されました。1月22日~2月3日までのおよそ2週間、渡辺芳人理事との面談をはじめ、『名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター』の今後の相談活動や研究活動について、『モンゴル版田中ビネー知能検査』の今後の開発計画について、レクチャーおよびミーティングが行なわれました。デルゲルサイハン教員養成学部長、金井篤子名古屋大学心の発達支援研究実践センター長のもと、今後さらなる協力関係を深めていくことが合意されました。

平成29年度モンゴル国立教育大学教員養成学部と共同研究に関する覚書締結

2017-10-19

名古屋大学心の発達支援研究実践センターは10月6日にモンゴル国立教育大学教員養
成学部と平成29年度の「モンゴル国における発達障害児支援に関する共同研究」に関
する覚書を締結しました。
本覚書により、モンゴル国における発達障害児支援体制の構築を目指し、名古屋大学
モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センターを拠点として、以下の事業を行っ
ていきます。
(1)児童の認知発達能力を測定する検査ツールの開発
(2)子ども発達共同支援センターにおける臨床研究
(3)子どもの発達支援に関する専門家の育成及び啓発活動

「名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター」の開所1周年記念シンポジウムを開催

2017-06-20

心の発達支援研究実践センターと大学院教育発達科学研究科は、2017年6月7日(水)モンゴル国立教育大学において、「名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター」の開所1周年記念シンポジウムを開催しました。名古屋大学から松尾清一総長、磯田文雄アジアサテライトキャンパス学院長、金井篤子心の発達支援研究実践センター長、モンゴル国立教育大学からムンフジャルガル学長、マンダホ教員養成学部長の臨席のもと、モンゴル国立教育大学教員およびモンゴル国内の特別支援教育教員約100名が参加しました。

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「名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター」はモンゴル国の子どもの発達に関する相談と研究のほか、支援人材の育成、モンゴル国における発達障害児の理解促進の拠点施設として、昨年(2016年)9月にモンゴル国立教育大学内に開所しました。シンポジウムでは、まず野邑健二特任教授およびモンゴル国立教育大学オドゲレル講師による、センターにおけるこの1年間の活動や研究成果の発表がありました。

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そのあと、ムンフジャルガル学長から、モンゴル国では現在、障害児教育に力を入れようとしており、国立教育大学は教員養成の要としてのその役割を果たす必要がある。名古屋大学との共同でこのように障害児の支援の試みが進んでいることを喜んでおり、今後名古屋大学との協力関係をますます深めていきたいと挨拶がありました。

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松尾清一総長からは、現在世界では予想不可能なことが起こっており、その影響を受けているのは社会の弱者である。これにどのように対応し、世界をよくすることができるのか、そのひとつは教育である。モンゴル国立教育大学と名古屋大学がこのように教育を通じて協力することは世界をよくすることにつながる。世界の子どもたちの未来のために、今後センターの活動のますますの発展を期待すると挨拶がありました。

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シンポジウム後には、センターの活動の一環として、シンポジウム参加者を対象に発達障害について理解を深めるための研修会を実施しました。

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これらの活動を通じ、「名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター」はモンゴル国の、ひいては世界の子どもたちの未来に貢献していきます。

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「名古屋大学モンゴル国立教育大学子ども発達共同支援センター」の開所

2017-03-01

2016年9月、モンゴル国における子どもの発達に関する相談と研究および支援人材の育成を行うセンターが、モンゴル国立教育大学に開設されました。このセンターは、名古屋大学とモンゴル国立教育大学が2013年より行っている「モンゴル国における発達障害児支援研究」の一環として開設されたものです。
2016年9月29日に、開設式が行われ、両大学関係者、モンゴルの教育、行政、発達支援関係者など約50名の参加がありました。式典では、タミルモンゴル国立教育大学副学長、金井篤子本学心の発達支援研究実践センターなどの挨拶の後、モンゴル教育大学学生による馬頭琴の演奏が行われました。当日の様子は現地マスコミに加えてNHK でも報道されました。
センターの運営は、モンゴル国立教育大学教員養成学部の教員を中心としたモンゴル側スタッフと、名古屋大学心の発達支援研究実践センターの教員(臨床心理士・児童精神科医師)が協力して行っています。

センターの活動内容は、大きく以下の4つに分けられます。

(1)モンゴル国の子どもの発達やこころの問題に関する相談活動

センターには、相談室およびプレイルームがあり、実際に発達やこころの問題に心配を持つ子どもとその家族への相談活動を行っています。相談活動は、名古屋大学スタッフがモンゴルを訪問して協働で実施しています。こうした相談活動を通じて、モンゴル国の子どもの発達やこころの問題を支援する専門家育成を行っています。

(2)モンゴル国における子どもの発達を評価するツールの開発

子どもの発達を支援するためには、発達状況を正確に知ることが必要ですが、同国には子どもの発達を評価するツールがありません。我々は、日本で広く利用されている田中ビネー知能検査Ⅴのモンゴル版開発を行っています。
2017年1月には、モンゴル教育大学の心理学や教育学を専門とする教員7名が訪日し、名古屋大学において、検査開発に関する集中ミーティングを行いました。

(3)モンゴル国における子どもの発達に関する共同研究の実施

モンゴル国における子どもの発達に関する問題を把握するために、調査研究を行っています。2015-16年に、モンゴル国の小・中学校教員を対象としたアンケート調査を行いました。その結果、モンゴル国においても、支援が必要と考えられる児童・生徒は数多く認められ、その中には、多動、集中力欠如、対人トラブルなどの発達障害特性と関連すると思われる問題が含まれていることがわかってきました。今後、支援が必要な児童・生徒がどのくらいいて、どういった支援が必要であるのかなどを調査することを検討しています。

(4) モンゴル国における発達障害や子どものこころの問題に関する専門家養成・啓発活動

2016年11月3-4日に、学校教員等を対象とした研修会を行いまいた。全国から約150名の参加があり、熱心に聴講して下さっている様子が印象的でした。
研修会に合わせて、子どもの発達支援者向けの専門書を発刊しました。これはモンゴル教育大学と名古屋大学のスタッフが協働で執筆したもので、発達に支援が必要な子どもに対する発見・支援に関する実践的な内容が書かれているものです。

今後の予定

2017年6月にセンター開設記念式典およびシンポジウムを開催します。その際には、モンゴル国の学校教員約150名を対象とした研修会を併せて開催する予定です。

モンゴル国立教育大学教員養成学部と共同研究に関する覚書締結

2016-04-11

心の発達支援研究実践センターはかねてより取り組んできた、モンゴル国における発達障害児支援の研究において、平成28328日、モンゴル国立教育大学教員養成学部と平成28年度における共同研究に関する覚書を交わしました。この覚書により、平成28年度1年間の研究活動として、以下の3つの研究プロジェクトを実施します。

この共同研究の成果の一部を6月開催の国際会議(於モンゴル国)で発表予定です。

 <平成28年度の共同研究内容>
(1)児童の認知発達能力を測定する検査ツールの開発
(2)学校現場における発達障害児に関する教員の意識調査
(3)発達障害児に対する相談活動のモデル実施

 モンゴル国立教育大学における覚書調印式の様子(於モンゴル国立教育大学)

 共同研究プロジェクトメンバーとの記念写真(於モンゴル国立教育大学)

国際会議(International Conference) 「モンゴル国と日本の発達障害児支援および特別支援教育に関する共同研究2016」

2016-01-04

下記日程で国際会議を開催します。ご参加お待ちしています。

*どなたでも御参加できます。当日は通訳があります。
参加のお申込みは下記メールアドレスに1月19日迄にお願いします。 メールにはお名前・ご所属をご記載下さいますよう、お願いします。

お問い合わせ先:
名古屋大学心の発達支援研究実践センター  
(近藤)
(TEL)052-789-2658 

日程:2016年1月20日(水)14:00~16:30
場所:経済学部 第1会議室208

演題・発表者:

モンゴル国立教育大学
  1. Issues in Inclusive education development in Mongolia
    D.Odgerel (Lecturer at MNUE, Teacher’s school)
    N.Dulamjav (Director of the International Affairs Department, MNUE)
  2. Preliminary results on survey research of SNE support in Mongolia
    D.Mandakh(Director of Teacher’s School, MNUE)
    D.Odgerel (Lecturer at MNUE, Teacher’s school)
    G.Byambatogtokh (Lecturer at MNUE, Teacher’s school)
    T.Enkhmaa (Lecturer at MNUE, Teacher’s school)
    D.Erdenechuluun(Lecturer at MNUE, School of Education studies)
    B.Oyunchimeg(Lecturer at MNUE, School of Natural Science)
  3. Study on assessment criteria of Special Needs schools activities
    D.Bayar (Director of “Ui tsai” Secondary school)
    O.Munkhtsetseg (Curriculum manager at Special School 63)
名古屋大学
  1. Student behaviors teachers struggle to deal with: A comparison of Japan and Mongolia
    野邑健二(心の発達支援研究実践センター特任准教授)
  2. モンゴル国の特別支援学校における指導困難児に関する検討-発達障害児のアセスメントと支援に向けて-
    福元理英(心の発達支援研究実践センター特任助教)

» 概要資料(PDF)

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